更年期になると、生理周期が乱れ徐々に閉経を迎えるのが一般的です。これまで生理周期に問題がなかった方や、PMSにさほど悩んでいなかった方なども、心身の不調が生じるケースも少なくありません。生理アプリは、40代や50代の女性にとって、自分の体調や気分の変化などを客観的に把握できる便利なツールです。本記事では、更年期の生理管理におすすめのアプリをご紹介します。
更年期になると生理周期が乱れるのはなぜ？
更年期は閉経の前後約5年ずつ、計約10年を指します。日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳です。閉経に近づくと、生理周期が乱れるなど、女性の身体はさまざまな変化を経験します。なぜ、生理周期が乱れるのか、その理由をご紹介します。
閉経の前後約5年ずつの10年くらいを更年期といいます。日本人の平均閉経年齢は50.5歳のため、一般的には45～55歳頃です。
引用：厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト
エストロゲンの減少がホルモンバランスに影響
更年期になると、卵巣機能が低下し女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。ホルモンバランスの乱れや卵巣機能の低下によって排卵が徐々にうまくできなくなり、生理周期も不安定になります。
閉経前後の「生理が来ない」「周期が短くなる」メカニズム
初期は、減少してきたエストロゲンを補おうとして、脳が強く働きます。これにより、一時的に生理周期が短くなる人が多いとされています。その他にも、経血量の変化が見られたり、排卵がうまく行えなくなることで生理周期が長くなり、予定どおりにいかなくなることも増えてきます。
更年期症状と生理不順の関係
更年期に見られる女性の身体の変化は、生理不順だけではありません。症状の出方や程度は人により異なりますが、女性ホルモンの分泌が不安定になるとイライラや疲労感、めまい、ほてりなども引き起こされます。
卵巣機能の低下による女性ホルモンの減少が主な原因ですが、それ以外にも、性格や体質、環境的な要因などが更年期症状の現れ方に関係していると言われています。
引用：厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト
40代・50代の女性が「生理アプリ」を使うべき理由
「生理アプリ」は、若い世代だけでなく、40代や50代の女性にもおすすめです。その理由について解説します。
体調・気分の変化を“見える化”できる
生理アプリでは、生理周期だけでなく、体調や気分の入力によってどのような時期にどのような症状が起こりやすいのか客観的に把握しやすくなります。不調があっても、あらかじめ傾向を知っておくことで安心感が生まれ、予定を調整するなど備えることも可能です。
更年期の乱れたリズムを自分で把握できる
生理周期を記録することで、時間の経過とともにどのような変化が生じているのか把握することも可能です。これは、更年期のどの段階に差し掛かっているのかを知るための目安としても活用できます。
PMSや睡眠・体温変化の記録が更年期ケアに役立つ
更年期症状と向き合い、セルフケアで快適性を高めるには、記録が重要な役割を果たします。自分にどのような症状があり、どのようなケアをすれば良いのか、アプリのAI機能で傾向を確認するなど情報収集に活用することも可能です。
婦人科受診時にもデータ共有が便利
婦人科の受診時に症状を伝えたり、アプリからオンライン診療を受けたりする際には、入力したデータがとても役に立ちます。データを共有することで医師も診断しやすくなり、解決方法を見つけやすくなるでしょう。
テクノロジーの力で女性の健康をサポートする製品をフェムテックといいます。フェムテックとフェムケアの違いについては、フェムケアとフェムテックの違いとは｜活用例やメリットを解説も参考にしてみてください。
年代別おすすめアプリと選び方のポイント
生理アプリの機能や操作性、特徴は、それぞれ異なります。どれを選べば良いのか悩む場合は、以下の情報も参考にしてみてはいかがでしょうか。
40代におすすめの生理アプリ
40代の女性には、体調の変化やホルモンバランスの変化にいち早く気づけるようなアプリがおすすめです。仕事や家庭、子育てと多忙な方も多いため、できるだけシンプルで操作しやすいものが続けやすいでしょう。例えば、ルナルナ、Flo、ケアミー などが便利です。
50代におすすめの生理アプリ
50代の女性には、閉経前後の変化に対応するような、更年期モードが搭載されているアプリがおすすめです。また、必要時にオンライン診療や他ユーザーに気軽に相談できる機能があると心強いでしょう。医師監修のアプリなら、掲載された情報の信頼性も増します。例えば、Lumino、Femly、My Calendar ＋などがおすすめです。
機能で比較！更年期女性に便利な生理アプリ早見表
代表的な生理アプリの特徴や機能などについて、表にまとめてご紹介します。比較する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
| アプリ名 | 対応年代 | 主な特徴 | 更年期機能 | 医師監修 | 費用 |
| ルナルナ | 20〜50代 | 体温・体調記録 | △ | ○ | 無料＋有料版 |
| Flo | 全年齢 | AI予測／メンタルサポート | ○ | ○ | 無料＋課金 |
| Lumino | 40〜60代 | 更年期専用モード | ◎ | ◎ | 無料 |
| ケアミー | 30〜50代 | シンプルUI／生理日通知 | △ | ✕ | 無料 |
更年期に生理アプリを使うときの注意点
生理アプリを活用する際には、以下の点に注意しましょう。
・入力は無理なく習慣化できる頻度で行う
・症状が気になる時は受診する
医療情報ではなく「生活の目安」として活用する
生理アプリは、あくまでも自身の体調と向き合うためのツールとして活用しましょう。役に立つ情報も掲載されているアプリが多いですが、その情報だけで健康上の問題が解決するわけではありません。
データ入力のしすぎによるストレスを避ける
体調を客観的に把握するためには、データが必要です。しかし、入力しなければならないと強く意識しすぎたり、操作が複雑だったりすると、入力すること自体がストレスになってしまう可能性があります。負担にならない程度に行うことが大切です。
気になる症状はアプリではなく婦人科で相談を
気になる症状がある場合は、アプリ上で行える診断や情報収集のみで解決しようとせず、婦人科などの医療機関で相談しましょう。症状によっては、婦人科の専門領域ではない病気やすぐに治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。
アプリ以外で取り入れたい更年期ケアの工夫
更年期には、生理アプリへの記録以外にも気軽に取り組める工夫がいくつかあります。一緒に見ていきましょう。
食事・睡眠・軽い運動など生活習慣の見直し
まずは、心身を整えるための土台となる、生活習慣を見直しましょう。バランスの良い食事や質の高い睡眠の確保、適度な運動は健康的な生活を送る上で欠かせない要素です。
サプリメント・フェムケア製品の活用
栄養バランスを意識していても、不足しがちな栄養については、サプリメントで補うのも対処法のひとつです。また、デリケートゾーンの乾燥などの悩みがある方は、専用のソープやオイルなどのフェムケア製品を積極的に活用するのもおすすめです。
女性ホルモンの減少による身体への影響を穏やかにするために、できる範囲で補いたい方は、エストロゲンを増やすには？生活から医療まで網羅的に解説も参考にしてみてください。
フェムテックと医療のハイブリッド活用
日頃からフェムテックを活用する習慣をつけていると、医師に相談する際にそのデータが役立つこともあります。特に、生理アプリについては、日々の記録が診断する上での重要な情報となるため、いざという時に備えるつもりで活用するのも良いでしょう。
PMS管理アプリを利用するメリットとは？おすすめアプリと選び方を解説
まとめ｜生理アプリを味方に、40代・50代を前向きに過ごそう
40代からの女性は、「いつ更年期になるか」「更年期にどのような症状が出てくるのか」と不安に感じたり、身体の変化に戸惑ったりすることも多くなるかもしれません。多くの女性が経験する更年期の変化は、異常ではなくライフステージの移行期と捉えましょう。大切なのは、変化を記録して客観的に把握し、受け入れながら対処していくことです。そのためにも、生理アプリ等を活用して、どのような変化が起こっているのか、どのような対処ができるのかを知ることが安心感につながります。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、前向きな気持ちで過ごしていきましょう。
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