インナージェルとは?効果・乳酸菌・カンジダとの関係まで専門的に解説【日本製の選び方】

フェムケア入門・コラム

デリケートゾーンの乾燥や不快感、腟内環境の乱れに悩む人が増える中、「インナージェル」が注目されています。本記事では、インナージェルに期待される効果や乳酸菌との関係、カンジダとの関係性、日本製を選ぶ理由まで、初めての方にもわかりやすく解説します。

インナージェルとは何か?

近年、フェムケア商品はさまざまな種類が販売され、気軽に手に取れるようになりました。インナージェルもそのひとつですが、まずはどのような製品なのかを確認しておきましょう。

インナージェルとは

インナージェルは、腟内の洗浄や保湿を目的とした衛生用品です。腟内に直接注入して使用しますが、これは治療を目的としているものではないため、医薬品には含まれません

外用フェムケア製品との違い

デリケートゾーン専用のソープやクリームなどは、外陰部の洗浄に使用します。一方で、インナージェルは腟内に使用する点が大きな違いと言えるでしょう。

腟内環境(pH・乳酸菌)が乱れる仕組み

腟内は、乳酸菌の働きによって弱酸性にpHバランスが保たれています。これにより、自浄作用が働き、健康的な状態を維持しているのです。しかし、ストレス等の影響によりpHバランスが崩れると、乾燥や不快感などのトラブルにつながることがあります。pHバランスは、過度な洗浄によっても乱れるとされており、注意が必要です。

インナージェルの効果はどこまで期待できる?

インナージェルを使うメリットは何なのか、どんな効果があるのかも確認しておきましょう。

期待できること

インナージェルは、デリケートゾーンのケアの基本である保湿や清潔の保持をサポートするアイテムとして役立ちます。

・乾燥による違和感の軽減
・腟内を健やかに保つサポート

腟内の乾燥は、ムズムズとした不快感やかゆみなどにつながり、ストレスになることもあります。インナージェルは、腟内の保湿や健やかな状態を保つための補助的な役割が期待できます。

期待できないこと

インナージェルはあくまでもケア用品であり、治療を目的とした医薬品ではありません。したがって、以下のような症状の緩和は期待できません。

・感染症の治療
・カンジダを治す行為

既に発生している感染症等の治療は、自己判断やセルフケアでなんとかしようとせず、早めに医療機関にかかりましょう。インナージェルは、日頃の腟内のコンディションを良い状態に保つためのケアとして取り入れることが大切です。

インナージェルと乳酸菌の関係

乳酸菌は、腟内の環境を整える上で非常に重要な役割を果たしています。インナージェルは、この乳酸菌の働きに着目して、成分などを調整して製造されているケースも多いです。

腟内フローラと乳酸菌の役割

女性の腟内では、多くの細菌がバランスを保ちながら共生し、「腟内フローラ」を形成しています。その中心的な存在が、ラクトバチルス属などの乳酸菌です。乳酸菌は、腟内の糖分を分解し乳酸をつくるという働きがあります。乳酸が作られると、腟内を酸性に保つことができ、雑菌の繁殖を抑制することにつながります。

乳酸菌配合インナージェルの考え方

腟内の乳酸菌が自浄作用に役立つことに着目し、最近は乳酸菌や乳酸を配合したインナージェルが増えています。しかし、腟内環境が乱れる原因はさまざまで、乳酸菌配合のインナージェルによるケアは補助的なものであると理解しておく必要があります。

飲む乳酸菌・サプリとの違い

飲む乳酸菌やサプリメントは、全身の健康や腸内環境を整えるためのサポートとして用いられることが多いです。一方、インナージェルは、腟内という局所的な部位をサポートします。

インナージェルはカンジダ対策になる?

体調不良などをきっかけにカンジダを再発しやすい人は、できるだけ繰り返さないようにインナージェルでケアしたいと考えるかもしれません。実際、インナージェルはカンジダ対策になるのか、ご紹介します。

カンジダとは何か

カンジダ(性器カンジダ症)は、カンジダ菌が腟内で異常繁殖して起こります。主に外陰部や腟のかゆみ、おりものの増加などが症状として挙げられます。

性器カンジダ症は、カンジダ属によって起こる性器の感染症である。女性での主な病型は、腟炎、外陰炎である。
引用:日本性感染症学会 性器カンジダ症

カンジダ菌は健康な女性の体にも存在する常在菌で、あること自体は問題ではありません。しかし、体調不良やストレス、抗生物質の服用、ホルモンバランスの変化などをきっかけに異常増殖すると、再発を繰り返しやすくなります。

インナージェルが「治療」にならない理由

インナージェルは、腟内の健康をサポートするケア用品であり、医薬品ではありません。カンジダ菌そのものを減らす効果はないため、治療のために用いることはできません。カンジダを発症した場合は、医療機関での治療が必要です。

日常ケアとしてできること・できないこと

インナージェルは、乾燥による不快感の軽減や自浄作用のサポートなどの日常的なケアの1つとして活用できます。しかし、既にかゆみに困っていたり、おりものに異常があったりすると、インナージェルを使用することで症状が悪化したり診断を遅らせたりする原因となるため注意が必要です。

先ほどもご紹介したように、腟内に異常がある場合の治療には適していないため、状態に応じた適切な対処を心がけましょう。

医療機関を受診すべき症状

強いかゆみや、外陰部の赤み・熱感、ボソボソとした白いおりものなどの異常がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。カンジダ腟炎になると、内服薬や軟膏による治療が不可欠です。場合によっては、他の感染症を起こしている可能性もあります。自己判断でセルフケアをするのではなく、医師の判断のもと正しい対処をすることが早期回復につながります。

失敗しないインナージェルの選び方

安心してインナージェルを使うために、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

成分で見るポイント(保湿・乳酸菌・不要成分)

インナージェルを使う目的にもよりますが、保湿を期待するならヒアルロン酸などの保湿成分、健やかな腟内環境の保持を期待するなら乳酸菌が配合されているかどうかを確認しましょう。できるだけ、香料や着色料、防腐剤といった不要な添加物が含まれていないものが理想的です。

pH設計と刺激性

デリケートゾーンは弱酸性に保たれています。念のため、pH設計を確認して、弱酸性に保てるよう配慮してあるか確認されることをおすすめします。

使用頻度・継続性

インナージェルは、日常的に使うケア用品です。無理なく続けられるように、経済的に負担の少ない範囲の価格帯のものを選びましょう。また、使い切りタイプなど衛生面にも考慮されたものが良いでしょう。

なぜ日本製インナージェルが選ばれるのか

インナージェルには、日本製のものだけでなく海外のものもありますが、日本製のものが好まれる傾向にあるようです。その理由を見てみましょう。

日本の化粧品製造基準と品質管理

日本では、化粧品や医薬部外品にもそれぞれの安全対策や製造基準が設けられています。これらの基準に基づいて管理されていることは、安全性や品質面での信頼にも関わります。特にインナージェルのように腟内に直接使う商品は、厳しい安全対策や製造基準のもと作られているものの方が安心です。

参照:厚生労働省 化粧品・医薬部外品等ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/keshouhin/index.html

成分表示・安全性への考え方

日本の場合、インナージェルにおいても全成分表示が義務付けられています。どんな成分が含まれているのか、消費者が自らしっかりと確認できることも、安心感につながります。

海外製との違い

日本製のインナージェルは、日本人の肌質に合わせた設計が行われています。すべての女性に合うとは言いきれませんが、できるだけリスクを避けて安心して使うために押さえておくべきポイントと言えるでしょう。

インナージェルはどんな人におすすめ?

インナージェルは、腟内の乾燥やそれに伴う不快感を感じている方におすすめです。また、手軽に使用しやすいため、フェムケア初心者にも良いでしょう。女性の体は、年齢やライフステージの変化によって変わってきます。特に更年期にさしかかると、腟内の乾燥に悩む方も増える傾向にあります。各ステージに応じた適切なケアを取り入れてきましょう。

インナージェル使用時の注意点

インナージェルは、以下のポイントに注意して使用しましょう。

使ってはいけないタイミング

商品の説明をよく読んで、使ってはいけない場合やタイミングを理解しておきましょう。特に、生理中や不正出血がある場合などは、使用を避けるようにと記載されていることが多いです。

お肌に合わない場合の対応

使用中や使用後にお肌に異常が見られる場合は、直ちに使用を中止しましょう。赤みやかゆみ、刺激などが生じないかどうかチェックされることをおすすめします。

医師相談が必要なケース

腟内やデリケートゾーンの悩みが改善しない場合や、強いかゆみ・痛み、異常なおりものなどが続く場合は、医師に相談することが大切です。

まとめ

インナージェルは、腟内の環境を整えるためのサポート用品です。フェムケアを始めたいと考える初心者の方でも取り入れやすく、お肌に合えば不快感が軽減するなどストレスの緩和につながることもあります。しかし、インナージェルはあくまでもケア用品であり、医薬品ではありません。気になる症状がある場合は、医療機関への相談も検討しながら、適切な対処をしていきましょう。

コメント