女性ホルモンは、主にエストロゲンとプロゲステロンのことを指しますが、ライフステージによって分泌量は変化し、心身に影響を及ぼすこともあります。
本記事では、エストロゲンやプロゲステロンについて詳しく解説し、女性が経験しやすい不調や対処法をご紹介します。
エストロゲンとプロゲステロンの基礎知識

まずは、エストロゲンやプロゲステロンについての基礎知識を見ていきましょう。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とは
エストロゲンは、卵巣から分泌される女性ホルモンの1種です。その特徴や女性の心身に及ぼす影響は以下の通りです。
・子宮内膜を増殖させて妊娠の準備をする
・乳房を発達させる
・自律神経を安定させる
・骨量を保持する
・コレステロールのバランスを整える
・お肌の艶やハリを保つ
プロゲステロン(黄体ホルモン)とは
プロゲステロンも、卵巣から分泌される女性ホルモンの1種です。以下のような特徴があります。
・乳腺の発達を促す
・体温を上げる
・食欲を増進させる
・体内の水分を保つ
・眠くなる
・イライラなど気分を不安定にする
月経周期とホルモンの関係
女性ホルモンの分泌量は、月経周期で変化します。月経周期とは、月経の開始日から次の月経が始まる前日までのサイクルのことで、以下の4つの段階で構成されています。
・卵胞期
・排卵期
・黄体期
月経周期とは、月経開始日から次の月経の前日までの日数のことをいいます。
引用:厚生労働省 健康日本21アクション支援システム
エストロゲンの分泌量は、月経後の卵胞期に増えます。それにより、この時期は心身が活発になりやすいとされています。エストロゲンの分泌量がピークになった時に排卵が起こり、排卵期に入るとエストロゲンの量は変動します。
そして、妊娠しやすい状態に整える黄体期には、プロゲステロンが優位になります。
PMSとPMDDの違いとは?定義・違い・受診の目安・治療法を解説
エストロゲン・プロゲステロンの乱れで起こりやすい不調

月経周期の前半はエストロゲンが大量に分泌される一方で、後半はプロゲステロンが優位になるという大きな変動は、女性の身体の調子に大きく影響することもあります。具体的に、どのような不調が起こりやすいのか見てみましょう。
気分の落ち込み・イライラ
プロゲステロンには、気分の不安定さを引き起こす働きもあります。そのため、生理前はイライラしたり、気分が落ち込みやすくなる方も珍しくありません。
頭痛・肩こり
女性ホルモンの変動は、自律神経を乱す要因になります。自律神経が乱れると、血行不良が起こりやすくなり、頭痛や肩こりなどを悪化させる可能性があります。
だるさ・倦怠感
自律神経の乱れは、倦怠感を起こすこともあります。疲労の蓄積やストレス、血行不良などのさまざまな要因が、倦怠感をさらに高める恐れもあります。
むくみ・体重変化
プロゲステロンには、生理前に水分を溜め込む働きもあります。黄体期にむくみや体重の増加が起こりやすくなる原因ともいえます。
眠気・集中力低下
プロゲステロンが優位になると、体温が上がり眠気も感じやすくなります。これにより、集中力や睡眠の質を低下させます。
【内部リンク】
40代女性の“しんどい”
運動との関係
ライフステージ別:ホルモンの変化と向き合い方

女性ホルモンは、月経周期という短い期間だけでなく、ライフステージによっても大きく変化します。女性ホルモンの変化との向き合い方について、年代別に見ていきましょう。
20〜30代:比較的安定
20代や30代では、女性ホルモンが最も活発に分泌される時期で、比較的安定しているケースが多いです。身体と心が充実しやすい年代ともいえるでしょう。規則正しい生活を続けバランスのとれた食生活や適度な運動を心がけて良い状態を維持しましょう。
40代:プレ更年期で揺らぎが増える
プレ更年期に差し掛かるにつれ、徐々に女性ホルモンの分泌量が低下してきます。「しんどい」と感じる日が増えてくることも珍しくありません。大豆製品やビタミンB群、鉄分を意識した食生活にしたり、身体を冷やさないための工夫をしたりしてみましょう。
50代:更年期に入り急激に低下
女性ホルモンの分泌量は、更年期に差し掛かると急減します。気分の落ち込みや不眠、ほてり、イライラなど、複数の症状が現れる可能性があります。我慢するよりも、必要に応じて専門医に相談しながら対処するのがおすすめです。
ホルモンバランスを整えるための日常ケア

ホルモンバランスの乱れによる不調は、セルフケアでやわらげることもできます。できるだけ快適に過ごすために、以下のポイントを意識しましょう。
睡眠の質を高める
できるだけ毎日決まった時間に眠りにつけるよう意識しましょう。起床時間をずらさないことも大切です。寝る前はスマートフォンやPCの使用を控え、リラックスできる環境で心身を整えましょう。
ストレスを減らす
休息の時間を設けて、趣味を思い切り楽しんだり、適度な運動を行ったりしながら、ストレスを溜め込まないようにしましょう。仕事中は、ゆっくりと深呼吸する機会を作るのがおすすめです。
栄養(鉄・B群・タンパク質)
栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。特に、鉄やビタミンB群、タンパク質は、積極的に補いたい栄養素です。レバーやほうれん草、大豆製品、肉、魚、乳製品などをバランスよく取り入れましょう。
軽い運動
軽めの運動の継続は、血行や代謝を促し、体力を向上させます。ストレス発散にもつながるため、ウォーキングやストレッチ、ヨガなど気軽に行えるものからはじめてみましょう。
血流を促すケア
半身浴や軽めの運動などで、血流を促すことを意識しましょう。また、身体を冷やさない服装や食事を心がけるのもおすすめです。毎朝、コップ1杯の白湯を飲んで身体の内側から温めるのも良いでしょう。
腟マッサージとは?セルフケアのやり方・心地よさ・注意点までやさしく解説
医療機関へ相談すべきサイン
不調を感じた時は、セルフケアだけで対処しようとするのではなく、受診を検討することも大事なポイントです。特に、以下の様子がある場合は、受診をして相談しましょう。
・強い落ち込み
・生活に支障がある場合
・更年期症状が疑われる場合
まとめ:ホルモンの働きを知ることが、身体と心を整える第一歩
女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの揺らぎは誰にでも起こります。月経周期やライフステージ別の変化の傾向を知ることで、心構えができ、対処もしやすくなるでしょう。しかし、症状の出方や不調の感じ方には個人差があります。我慢しすぎずに、必要に応じて医療機関への相談も検討しましょう。

コメント